謎のはちみつ

by viceversatokyo

口にしたことのいない人くらいなじみ深いはちみつ。健康や美容のために摂取する身近な自然の恵みでもある。

はちみつをせっせと集めるミツバチが、2008年から急激に世界中で減り続けているらしい。反対にはちみつの需要はやはり2008年から現在までで8倍にまで膨らんでいるという統計がある。

あれこれ理由はあれど確定的な説は無く、天然のはちみつは今日も減り続けている。

収穫量が減り廃業する養蜂家も多い中、なぜ供給が間に合っているかのように見えるのだろう。なぜ?

はちみつではなく、いわゆる加工された「はちみつみたいなもの」「はちみつに似ているもの」が溢れているから。「みたいなもの」には時に抗生物質などが検出され、検疫をくぐるため薬品に次ぐ薬品の物もあるという。

一切の添加物の無いはちみつは近年高額のイメージが付きまとう。

出回っている手頃なはちみつと高価な天然はちみつ。一口ずつスプーンですくって食す。

答えは自分の舌が知っている。驚くほどの違い。

日本各地の養蜂家は高齢化している。毎朝手入れし様子を見、ミツバチの越冬のため巣箱をトラックで温暖な地へ毎年移す人もいる。また冬の間ミツバチが丈夫に過ごせるためのケアもする。害鳥害虫とのいたちごっこ。大変な重労働だ。

この重労働を継続している希少な養蜂家たちの共通点、自分のはちみつを語る時の瞳の輝き、熱心さ、はちみつ愛に満たされている。そしてその愛の深さは神々しさすら感じられる。

はちみつの味はミツバチの摂取する果樹等の他に、管理製造する者により大きく差が生まれる。知り合いの上品な養蜂家さんのはちみつは味まで上品で驚く。

希望溢れる若者が、養蜂家に後継を挙手すればきっと手取り足取り教えてくれるだろう。

本物のはちみつのために祈るばかりだ。